猫は言葉を話せないため、病気のサインを見逃さないことが重要です。例えば、「食欲が減っている」「水を異常に多く飲む」「排泄の回数が増減している」といった変化は見逃されがちですが、これらは深刻な病気の初期症状である可能性があります。本記事では、猫の症状ごとに考えられる病気を紹介し、飼い主が異常に気づきやすくするための情報を提供します。気になる症状がある場合は、できるだけ早く獣医師に相談しましょう。本記事では、猫の症状ごとに考えられる病気を紹介し、飼い主が異常に気づきやすくするための情報を提供します。気になる症状がある場合は、できるだけ早く獣医師に相談しましょう。
症状別に考えられる病気
1. 食欲不振・体重減少
進行スピード・緊急性: 食欲不振が1~2日続く場合でも、単なる一時的な体調不良の可能性がありますが、3日以上続く場合や急激な体重減少(1ヶ月で体重の5%以上減少)が見られる場合は早急に獣医の診察を受けるべきです。慢性腎臓病や糖尿病のように徐々に進行する病気もあれば、消化器型リンパ腫や甲状腺機能亢進症のように急速に悪化する病気もあります。
考えられる病気:
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慢性腎臓病(高齢猫に多い。水を多く飲む症状が見られることも)
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糖尿病(水を大量に飲む、頻繁に排尿する場合は要注意)
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甲状腺機能亢進症(特にシニア猫で見られ、異常に活発になることも)
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胃腸疾患(胃炎・腸炎・消化器型リンパ腫)(持続的な嘔吐や軟便を伴う)
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口内炎・歯周病(口の痛みで食べられず、よだれが増えることも)
2. 嘔吐・下痢
考えられる病気:
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消化器疾患(胃炎・腸炎・膵炎)
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食物アレルギー(特定の成分に対するアレルギー反応)
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寄生虫感染(回虫・鉤虫・条虫)
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中毒(有害植物・薬物摂取・重金属中毒)
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肝疾患(肝リピドーシス・胆管肝炎)
3. 多飲多尿(たくさん水を飲む・尿の量が多い)
考えられる病気:
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糖尿病(高血糖により水を大量に摂取する)
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慢性腎臓病(腎機能低下により尿が薄くなる)
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甲状腺機能亢進症(新陳代謝の異常で水分を多く必要とする)
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尿崩症(抗利尿ホルモンの異常によるまれな疾患)
4. くしゃみ・鼻水・咳
考えられる病気:
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猫カリシウイルス感染症(口内炎を伴うことが多い)
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猫ウイルス性鼻気管炎(猫風邪)
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アレルギー(ハウスダスト・花粉・カビ)
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肺炎(発熱・呼吸困難を伴う場合は注意)
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気管支炎・喘息(慢性的な咳が特徴)
5. 目やに・涙目
考えられる病気:
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結膜炎(細菌・ウイルス感染)
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角膜炎(角膜の傷・異物)
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流涙症(涙の排出異常)
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猫ヘルペスウイルス感染症(再発しやすい)
6. 発熱
発熱の基準: 猫の平熱は通常38.0〜39.2℃の範囲ですが、39.5℃以上になると異常と考えられます。40℃を超える場合は緊急性が高く、早急に獣医師の診察を受ける必要があります。
熱の測り方: 猫の体温は肛門から測るのが最も正確です。デジタル体温計を使用し、ワセリンやペット用の潤滑剤を塗ってゆっくり挿入してください。耳で測れるペット用の赤外線体温計もありますが、誤差が出ることがあるため、獣医師に相談しながら使用しましょう。
考えられる病気:
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細菌・ウイルス感染症(猫カリシウイルス・猫エイズなど)
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炎症性疾患(膀胱炎・関節炎など)
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熱中症(高温環境下での体温上昇)
7. けいれん・ふらつき
考えられる病気:
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てんかん(遺伝的要因や脳の異常)
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脳腫瘍(シニア猫に多い)
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中毒(殺虫剤や有毒植物摂取による神経症状)
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低血糖(糖尿病治療中の猫に起こることがある)
8. 皮膚のかゆみ・発疹
考えられる病気:
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ノミ・ダニ感染症
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真菌感染症(皮膚糸状菌症)
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アレルギー性皮膚炎
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自己免疫疾患(稀なケース)
9. 便秘
考えられる病気:
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巨大結腸症(腸の運動機能低下)
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脱水症状(水分不足による硬便)
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腫瘍(腸内の異常な増殖)
10. 血尿・トイレ以外での粗相
考えられる病気:
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尿路結石症(膀胱結石・尿道閉塞)
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膀胱炎(細菌感染・ストレス性)
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腎不全(慢性・急性)
11. お腹や胸の腫れ
考えられる病気:
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腫瘍(リンパ腫・乳腺腫瘍など)
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腹水(肝疾患や心疾患に関連)
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肥大型心筋症(心臓の異常による血流障害)
12. 陰部からの出血・おりものが出ている
考えられる病気:
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子宮蓄膿症(特に未避妊のメス猫に多い)
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膀胱炎・尿路感染症
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生殖器系の腫瘍
13. よだれが多い・口内炎・歯茎の腫れ
進行スピード・緊急性: よだれが多い場合、口内の違和感が原因の可能性が高いですが、数日で悪化することが多く、早めの対応が必要です。特に歯茎の腫れや口臭を伴う場合は、細菌感染や重度の口内炎の可能性があるため、早急に獣医の診察を受けましょう。
考えられる病気:
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歯周病(細菌感染による炎症)
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口内炎(ウイルス感染や免疫疾患)
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腎不全(尿毒症により口臭やよだれが増加)
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中毒(有毒植物や化学物質摂取による影響)
14. 呼吸の異常(息が荒い・舌を出して呼吸している)
進行スピード・緊急性: 呼吸の異常は急激に悪化する可能性があり、特に舌を出して呼吸している場合は緊急性が高いため、すぐに獣医師の診察を受ける必要があります。
考えられる病気:
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猫喘息(アレルギーによる慢性的な気道炎症)
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心不全(血液循環の低下による呼吸困難)
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肺炎(ウイルスや細菌感染による炎症)
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熱中症(高温環境での体温上昇による呼吸促進)
まとめ
猫の病気は、症状ごとに異なる可能性があります。今回紹介した症状に当てはまる場合は、放置せずに早めに獣医師の診察を受けることが重要です。特に、食欲の低下や排尿異常などの変化が見られたら、できるだけ早く病院へ連れていきましょう。
健康管理のポイント:
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定期的な健康診断を受ける(シニア猫は年2回が推奨)
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猫の行動をよく観察し、小さな異変も見逃さない
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適切な食事管理を行い、肥満や栄養不足を防ぐ
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清潔な環境を保つ(特にトイレや寝床の衛生管理)
愛猫の健康を守るため、日頃からよく観察し、異常を感じたらすぐに対応できるようにしておきましょう。
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